小論文の書き方Q&A
しかしそれなのに、実際に小論文試験を受けることは、実はかなりしんどいことだと感じている人が多いのが実情です。それはどうしてでしょう。
Q 設問の内容が難しすぎるでしょうか。
A ――いいえ、出題されるのは、新聞でも雑誌でも、お茶の間でも議論することがあるような題材がほとんどです。
Q 文章を作ることが困難なのでしょうか。
A ――いいえ、だれもが自分の頭の中で組み立てた言葉を文章にしてコミュニケーションをはかり、書いて伝えもします。文章はだれでも書けると思っています。
Q それではどうして、この単純な作業が、容易には越えられない壁のように思えるのでしょうか。
A それは、出題されるテーマが、現実の世界で繰り広げられている未解決の問題や、あるいはこの現実を超越した異なる次元に根を張る論理の矛盾とかぶつかり合う思想・・いずれも正解が無いか、未解決の問題ばかりだからです。
計算方法さえ見つければ正解に辿り着けるという種類の問題ではないのです。
小論文の書き方 エントリー一覧
- 小論文演習1
- あなたが最初にしなければならないことは、決まっています。 番号の順に演習を進めて下さい。1.志望校の過去問を調べて、出題傾向を確かめること。大学や学部・学科によって同じテーマでも出題の仕方が異なりますし、同じテーマでも、設問の視点によっては求められている作業内容が大きく異なります。年度によって変わることもありますから、注意深くチェックしましょう。これは、目指すところを明確にするための材料になります。もちろん、コピーを取っておきましょう。2.まだ小論文を書いた経験の無い人は、ひとまず過去問でいい...
- 小論文演習2
- 3.なるべく簡単な問題を使って、課題のテーマを分析する練習をしましょう。たとえば、駅前にできたケーキ屋さんを誰かに紹介しようとしたら、ケーキ屋さんの情報を詳しく知っておく方が良い説明が出来るのと同じです。そのやり方の基本は、どこまでも自問自答です。なぜなら、自分の言葉で説明できないことは、決して文章に書くことができないからです。まずは駅前のケーキ屋さんを誰にでも映像として思い浮かべてもらえるように具体的に説明できるように、説明材料を自力で見つけ出す練習です。4.この分析吟味という作業は、時間をか...
- 小論文演習3
- 5.分析は必ずメモをとってくださいと言いました、メモの取り方は人によって違ってかまいません。しかし、メモを取ることは忘れないで下さい。メモを取る理由は、忘れないためと、目で確認することで分析して出してきた素材を客観的に眺めなおすことができるという、分析の進み具合のチェックを自ら行い、この方向性で良いかどうかを確認するという重要な意味も含まれています。少し例を見ておきましょう。(例)問題:社会で問題になっている「いじめ」について意見を述べなさい。[1]いじめはどういう接し方のことを言うのか。 A...
- 小論文演習4
- 6.このように、自問自答を芋づる式に続けていくことで考えようとしている対象は詳しく理解できていきますね。これが分析するということです。また、メモすることが必要だと言いましたが、先の自問自答のメモを見ることで、次の問いを思いつくことが出来ることもありますし、いくつも出していく自問自答のメモの中で、どこから次の問いへ連続させればいいかが、メモがあれば分かりやすくなるわけです。そうして整理すると上のように単純な一本道の連想のように見えますが、実は、慣れてくると、上の自問自答以外の自問自答を頭の中で整理...
- 小論文演習5
- 8.ある対象についての意見や主張を持つということは、その対象のことを、まず詳しく理解しなくてはなりません。そのために、徹底した分析が必要になることは当然ですが、問題は、いくら理解したつもりでも、そこから小論文入試で問われている自分の意見が見つけられなければ、解答作成は出来ないということです。そこで、これから意見や主張を見つけるコツについて解説します。 まずはじめに、論作文はもともと、あることに対する解釈や意見を説明するための文章であることを思い出してください。つまり、課題で要求されている解釈や意...
- 小論文演習6
- それでは、解釈や意見を見つけるには、どうすればいいのでしょう。対象への理解が異なるがゆえに、問題状況や相関関係の把握から、仮説やその検証、そして見解や主張へと導く立論までも人ごとに異なります。 一方、小論文の添削を受けると、「視点」や「切り口」といった言葉をしばしば見かけると思いますが、それらは、その異なり方を説明するために用いられる表現なのです。それは同時に、「視点」や「切り口」が、解釈や意見の独自性を決定づける決定的な要因であると思われてきた所以でもあります。 だから、視点を変えてみたり、...
- 小論文演習7
- 自分の認識や価値観を否定するということは、必ずしも捨てるということではありません。異なる視点や切り口から眺めて目的を果たせば、元に戻って構わないのです。 例えば次のようになります。 先に、いじめの問題を取り上げましたが、この問題をより多角的に分析するために、ひとまず『自分がいじめをしていると仮定してみる』『自分がいじめを傍観していると仮定してみる』といった切り換えを行います。そのときに、いじめは悪いとか、いじめを傍観する人間はずるいといった自分なりの認識は捨てます。無理やりでもいじめについて白紙...
- 小論文演習8
- 自分とは異なる価値観や認識で対象に向かうということは、少なからず「発見」に向かって進むという行為であるとお分かり頂けたでしょうか。その上で、さらにもう一つ言っておかなければならないことがあります。 それは、自分の価値観や認識が自分に与えてくれるものは、対象の理解だと言いましたが、それは同時に、対象に向かう向かい方を与えてくれるものでもあります。いじめに対して、いじめている人やいじめを傍観している人の立場から眺め直してみようという"向かい方"を、確かに自分の認識や価値観のおかげで手にするわけです...
- 小論文演習9
- 小論文で書きたいことが決まれば、そこから文章化していく作業に入りますが、一般に論理的展開とか説得的展開と言われるような論展開をするには、どのような工夫をすれば良いのでしょう。 まず、論理的展開、説得的展開とはどういう展開を意味するのかを考えましょう。1)論理的展開、説得的展開とは、その言葉からも分かる通り、読み手にとって論理的、説得的ということです。読み手が論理的な説明だと受け止める、説得的だと受け止める、ということです。 それは試験論文の採点者は常に、非論理的や独善的という正反対のベクトルを...
- 小論文演習10
- 想定する相手には、身近な人を想定すれば、余計な気を使わないで自分の思った通りの説明を展開しやすいと思います。そこで、さらに、自分自身が聞き手になった場合を想定すると一層分かりやすい文章が作れます。 分かりやすい文章――というのは、説得力ある文章の基本は「分かりやすい」ということだからです。試験論文だから「模範解答」に見られるような、いかにも非の打ちどころの無い用意周到な論文に仕上げなければならないといった思いを抱きがちですが、実際に学者やプロの文筆家でも、あらかじめテーマが分かっていて執筆まで...
- アウトラインを文章化する
- アウトラインのメモが A⇒B⇒D⇒C⇒Eの順に完成しているとき、執筆は、Aから始め、Aを聞き手が目の前にいると想像しながら詳しく、丁寧に説明していきます。 次にAの主題を受けて、Bが反対の内容を述べるのであれば、Bは逆接で始め、BがAを肯定したりさらに詳しく述べる内容であれば、順接ではじめることになるでしょう。 ときには厄介な内容を伝えるために繰り返し、ときには例を挙げて説明し、またときには、前の説明の要点をまとめ、こうして、AからEまでを各段落ごとに役割を果たせるようにつないでいくことで、文...
- 文章の読み
- 例1 人間は考える葦であるとパスカルは言った。この言葉にしたがって言えば、考えない人は、人間ではないということになる。たしかに、考えることで人間は進化してきたし、考えることで失敗を反省することも出来る。だから、人間が人間らしく生きていくためには考えるということが必要なのだ。例2 人間は考える葦であるとパスカルは言った。この言葉の意味は、人間は葦という植物と同じように自然の中で最も弱い。けれども考えることができるという点で最も尊い存在であるというのだ。それでは、人間はだれでも尊くありたいのかという...
- アウトラインのチェック
- <アウトラインの例> A⇒B⇒D⇒F 非常に大雑把なアウトラインですが、アルファベットは全て自問自答のメモに自分で付けた番号や記号で、その中から、アウトラインに使おうと思って選択して並べてあるわけです。 そこで、段落は、Aが1段落目、Bが2段落目、Dが3段落目、Fが4段落目という具合に、アウトラインが完成した時点で、段落作りもほぼ決まっているはずです。ただ、BとDが切り離すと分かり難い場合や、Aをいくつかに分けて説明した方が分かりやすい場合は、くっつけたり分けたりします。このようにして、段落は完...
- 段落のチェック
- 書き始める前に、段落の役割を確認しておきましょう。 この段落で課題に対する問題意識を示し、次にその問題意識の具体例や場面をあげて問題意識が示唆する真の問題点を追求して見せ、その問題点の発生原因を次に考察し、仮説を立ててその効果と弊害を示した上で、最後の段落では課題が提示している問題に対する解決策をまとめなおして説明する。 といった流れを確認することです。 これに無理があるときは、アウトラインが失敗しているということです。テーマ【経済発展の方策】|小論文の書き方ナビ
- アウトラインの組替え
- したがって、この段階までくれば、決してアウトラインの組替えを行なってはなりません。 アウトラインを組替えたければ、自問自答のメモづくりからやり直さなければなりません。もしもここでアウトラインを組替え、しかもメモをそのまま使ったら、とんでもない論述が完成します。「私の町には原発がある」というメモと「原発の問題はコントロール不能な技術を実用化することの責任感、倫理観の問題だ」というメモを使って、「私の町には無責任な科学者がいる」と書いてしまうような失敗を行なうことになるかもしれません。 さらにここま...
- アウトライン
- ですから、話し始める前に筋書きを決めるには、どういう要素にもとづいて決めればいいかを知っておいた方が良いということは、だれにも分かります。 アウトライン作りをきちんとすれば、複雑な話しでも、幼児にも理解できるものです。 誰もが知っている「桃太郎」。 この話しには登場人物も多いし、話題も豊富かつ面白いですね。しかし、何より素晴らしいのは、複雑な場面、登場人物の関係などを、アウトラインの巧みさで補ってわかりやすくしてくれているということです。アウトラインを変えてみると、伝えたかったことが伝わらなかっ...
- 執筆の5ポイント
- 文章を執筆するまでの行程で重要な点を5つ挙げておきたいと思います。 一つ目は、文章化をする前段階の考察の行程では、外界には揺ぎない事実としての情報が存在しているという自覚をもつことです。これは、自分の認識を疑う機会――自問自答の機会を増やしてくれます。 二つ目は、その情報を受け止める受け止め方は今の自分の受け止め方以外に幾通りも存在するのだから、絶えずより良い受け止め方を目指して認識を検分し直すということ――すなわち、より価値があると思われる認識を目指すということです。 三つ目は、見出した価値...
- 論述の例
- まず、比較的分かりやすく工夫して論述している例を紹介しましょう。どこに著者の努力が感じられるか、言いたいことに向かって進めようというエネルギーが感じられ、読み手の関心を引っ張ってくれるか、注意して読んでみましょう。アウトラインが同じでも、言葉の使い方の巧拙の差が、こんなに結果を左右するのです。 最近、食事をしに行ってもブティックでセーターを買っても、「〜でよろしかったですか」と店員さんに言われることが多い。 これは、何か変な感じがする。もともと、何か商品を選んでレジに持っていったときに確認の意味...
- 論述の例 2
- 比較的分かりにくくて工夫が見られない論述例をご覧下さい。最近食事でもブティックで買い物しても店員さんがよろしかったですかと言うけど、それはおかしい気がする。だいたい、買い物したときは、こちらでよろしいですかと、現在形で言うのが普通だろう。それなのに、よろしかったですかと過去形で言うのはなぜだろう。それは、お客とか他人に気を遣うのが現代人だからだと思う。たとえば、よろしいですかと現在形で言うのは、「あなたが選んだのに間違いないですか」と、お客の判断の間違いを追究しているように聞こえるのに対して、よ...